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合理的な判断に影響する認知バイアス

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合理的な判断に影響する認知バイアス

バフェットはろう(@buffett_hello)です。

私たちは日常生活の中で、合理的な判断をしているはずが、実はさまざまな「認知バイアス」の影響を受けています。今回は、間違った判断をしてしまう「認知バイアス」について共有していきます。

 

 

 

間違った判断をする「認知バイアス」

損失回避の法則

皆さんは、次の2つのうち、どちらのほうが感情が強く揺さぶられますか。

  • A:10万円の商品を1万円値引きしてもらって買った
  • B:10万円で買った商品を別の店で見たら9万円で売っていた

つまり、Aは1万円得して、Bは1万円損したケースです。もちろん、1万円得すれば嬉しい気持ちになりますが、1万円損したときのショックの方がそれを上回ります。

実験によると、損と得とではその心理的なインパクトには2.25倍の差があることがわかっています。1万円を損した不快感は、2万2,500円を得したときの喜びと、同等みたいです。

「人間は得よりも損に強く反応する」ことから起こります。これを「損失回避の法則」といいます。損失回避は、現状維持にもつながりやすいため「現状維持バイアス」と言われることもあります。

損失回避の法則は、人間の判断や行動に大きな影響を及ぼします。例えば、「得をしたい」という気持ちを「損したくない」気持ちが上回ると、新しいものに切り替えられなくなります。

いつも行きつけの飲食店で、毎回同じメニューを頼んでしまうのも、損失回避の働きです。知らない店で初めての料理を食べ、「やめておけばよかった、損をした」とあとで後悔するぐらいなら、いつもの店で、いつものメニューを食べたほうが安心だ、というわけです。

 

 

 

コンコルド効果

これも損失回避の法則に、よく似ています。簡単にいうと、「損をしているのは自分でもわかっているけど、今さらやめられない」のがコンコルド効果です。

コンコルドは、イギリスとフランスが共同開発した「夢の超音速旅客機」で、1962年に開発が始まると、69年に初飛行に成功します。しかし早い段階で、採算が合わないことがわかっていました。運航が始まっても赤字は確実、合理的に考えれば、そこで開発中止の判断を下していれば、損失はそれまでの投資分だけで済みました。ところが、コンコルドはそのまま開発が進んでいき、76年に定期的な運航を開始。採算の問題は解決されず、赤字は積み上がるばかりでした。結局コンコルドは、2003年の運航を最後に、姿を消しました。

「こんなにお金と時間をかけて開発してきたんだ。ここでやめてしまったら全部が損失になる。もう少し頑張って続けてみよう。」そう思ったから、やめられなかったのです。

ここで人間の認知を歪めているのは、過去に費やしたコスト、「サンクコスト(埋没費用)」です。サンクコストは、さまざまなところで人間の判断や行動に影響を与えています。

わかりやすい例は、投資やギャンブルで負け込む人の心理です。買った株が値下がりし、100万円の含み損が発生し、これから挽回できる見込みもなければ、株を持ち続けていても含み損が膨らむ可能性が高いため、損を覚悟で売却する「損切り」が推奨されます。しかし、「100万円を損するわけにはいかない。」という心理から、損切りができず、さらに負けが込んでいく人が、少なくありません。

 

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