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日本の家計に忍び寄るインフレ、今夏は食品価格の上昇に注意

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日本の家計に迫るインフレ、今夏は食品価格の上昇に注意

 バフェットはろう(@buffett_hello)です。 

米国で物価上昇、つまりインフレに注目が集まっています。労働省が発表した5月の消費者物価指数は前年同月比プラス5.0%となり、2008年8月以来約13年ぶりの高さとなりました。今回は、日本でも食品価格が上昇するインフレは起きるのか共有していきます。

 

 

 

生活に忍び寄るインフレ懸念

実感として物価が上昇しているように感じるのは、おそらく生活に密接した品目の価格が上昇しているからでしょう。食品価格だけを見れば物価は上昇しています。さらに食品の中で、生鮮野菜の価格は天候によって大きく左右されるため、非常に波が激しいのですが、生鮮肉と鶏卵は緩やかに上昇しており、食用油だけがなだらかに下落しています。しかし、これから先はそれぞれの価格は総じて上昇していく可能性が出てきています。例えば、肉の価格は、和牛の相場は前年比で2~3割ほど上昇しています。世界的に新型コロナウイルスの感染拡大はあったものの、いち早く経済活動が回復した中国や、ワクチン接種が進む米国での需要が増えていることが影響しています。卵の相場価格も倍近くに上昇し、2015年以来の高値となっています。これは冬に猛威を振るった鳥インフルエンザの影響であり、その結果として卵だけではなく、キューピーや味の素が7月から8年ぶりに家庭用マヨネーズの値上げをすると発表しています。食用油も原料価格の高騰を受けて大手3社が今年3回目の値上げをすると発表しており、消費者には厳しいニュースが増えています。今夏も日照時間が少なくなったり、台風や豪雨などの水害が頻発すれば野菜価格も一気に上昇する可能性もあります

 

厳しい生活を余儀なくされる可能性

消費支出に飲食費が占める割合を「エンゲル係数」と呼びますが、エンゲル係数はこの20年間で上昇傾向にあります。一般的に生活水準が低いほどエンゲル係数は高くなり、生活水準が高くなるとエンゲル係数が下がると言われています。収入が低くても高くても、食べられる量にはそれほど差はないですから、収入が低いほど飲食費が占める割合が高まるということは当然です。この30年間平均給与は上がらず、その間に消費税や社会保障費は上昇し、かつ非正規雇用も増えたわけですから、厳しい生活を余儀なくされている日本人が増えたとは言えるでしょう。これまで見てきたように、食品価格が日本でも上昇する可能性が高いため、今後は更に生活が厳しくなる人も増えるでしょう。

 

 

 

悪性インフレの恐怖

日本はデフレ経済に慣れ切ってしまっており、国民は将来物価が上がるという感覚もあまりありません。一方で、物価の内訳をみれば、食品価格など生活に密接している品目の価格は上昇していくでしょう。経済成長はせず、そのため収入も上がらず、生活に密接した品目の価格だけが部分的に上昇する悪性インフレになる可能性はあります。個人が出来ることと言えば節約などの家計防衛しかありませんが、これを機に物価という生活に密接した経済指標について、学びなおしてもいいかもしれません。物価が継続的に下がるデフレの状態を脱却しようとしている一方で、このような悪性インフレは避けなくてはいけないと思います。モノの値段という認識でしかなかった物価の奥深さに気付けると、目にするニュースの理解がさらに深まっていくことでしょう。

 

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