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給料が1円の差が年金5万円の差

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給料が1円の差が年金5万円の差

バフェットはろう(@buffett_hello)です。

毎月の皆さんのお給料から天引きされている厚生年金保険料。この保険料は、少し特殊な仕組みで決まっています。今回は、その仕組みなどを共有していこうと思います。

 

 

 

給料に比例して保険料も高くなる

自営業者や学生が加入する国民年金の保険料は、月1万6610円(2021年度)の定額です。ですから、本人の所得の多い少ないにかかわらず同じ保険料を負担しています。一方、会社員や公務員が加入する厚生年金の保険料は「給料×保険料率」で算出することになっています。従って給料が高くなれば、それだけ保険料も高くなる仕組みということになります。ちなみに現在の保険料率は18.3%(2017年9月以降は固定)で、給料にもボーナス(賞与)にも同じ率で保険料を算出することになっています。会社が半額負担しているため、会社員の皆さんの実質的な負担は9.15%となります。

 

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たった1円の差で保険料に大きな差

厚生年金は、保険料額表で金額に応じた等級が設定されていて、現在1等級~32等級まであります。一定の範囲内にある給料は同じ等級となり、保険料も同じとなります。例えば、保険料額表で19等級は29万円以上31万円未満ですから、給料が30万9999円なら19等級で、会社と折半した毎月の天引額は2万7,450円となります。給料が31万円だと20等級となり、毎月の天引額は2万9,280円にアップします。給料がたった1円違うだけで、保険料は月1,830円の差。年間にすると2万1,960円の差となります。 同じ条件で、40年間厚生年金に加入したとすると87万8,400円もの差が生まれるのです。たった1円の違いで保険料が大きくアップするのは辛いですね。

 

等級が高いと将来受け取れる年金も増える

将来年金を受け取る観点でみると、厚生年金は「多く払えば、その分多く受け取れる」という仕組みとなっています。長期的な観点では、等級を上げた方が将来有利に働くのです。では、19等級と20等級で将来の年金額にどのくらいの差がでるでしょうか。たった1円の差でも標準報酬月額が変われば、厚生年金加入40年で受け取る年金の差は、1年間に約5万円となります。これを損とみるか得とみるかは、老齢年金をどれくらいの期間受給し続けられるかによります。仮に、65歳から80歳までの15年間老齢年金をもらい続けるとすれば、20等級の方が約75万円多くもらえます。これが65歳から85歳までの20年間になれば約100万円多くもらえるのです。

このほか、国の社会保険制度により受給できるお金のなかで、厚生年金保険と同様、標準報酬月額が適用され、かつ支払った額に応じて受給額も増えるものが他にもいくつかあります。例えば、被保険者が死亡した際に遺族が受け取れる「遺族厚生年金」、被保険者が病気や怪我の療養のために働けなくなった場合の「傷病手当金」、出産手当金育児休業給付金などがあります。

 

 

 

総合的な利益を見失わないように

このように、払うべき社会保険料が増えても、将来受け取る年金額や標準報酬月額が適用される各種手当等を考慮すれば、一概に損とは言い切れません。逆に、特に手当などをもらう予定がなければ、等級を上げて社会保険料を多く払う事は損だと捉えることもできます。社会保険制度は複雑ですが、目先の損得で本来の目的や総合的な利益を見失わないこと、多面的に判断することが重要だと言えそうです。

 

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