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キャッシュレス普及でくる信用格差社会の恐怖

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キャッシュレス普及でくる信用格差社会の恐怖

バフェットはろうです。

今現在、キャッシュレス決済後進国の日本ですが、オリンピックや大阪万博に向けて、急ピッチでキャッシュレス化を進めています。今回は、そのキャッシュレス化でその先に待ち受ける未来について共有していこうと思います。

 

 

 

日本はキャッシュレス決済比率80%を目指す

キャッシュレス決済後進国といわれている日本はその比率が20%で、韓国90%、中国60%からは程遠い状況です。官民挙げてのキャッシュレス化を進めていますが、その先に待ち受けるのは「信用格差社会」です。政府の掲げたビジョンでは、2025年の大阪万博までにキャッシュレス比率を40%までに引き上げ、さらに将来的には世界最高水準の80%を目指すとしています。もう持たざるを得ないということです。

それに向けて、「PayPay」の100億円還元キャンペーンは、キャッシュレス時代に向けた最初の強烈な起爆剤になりました。ただ、お金が回ったのは、大手家電量販店と一部のコンビニばかりで、小規模商店は取り残されてしまいました。大判振る舞いに踊りまくったのは、ポイント好き、ネット好き、新しいもの好きなどの「アーリーアダプター」たち。彼らは、実だけを摘み取ってさっさと逃げる「チェリーピッカー」でもあります。

今年の10月の消費税増税に伴う景気対策として、キャッシュレス決済すると決済額の5%が客にポイント還元されました。店側も必要な端末の導入コストもタダ同然という至れり尽くせりのメニュー。とにかく来年のオリピックまでにキャッシュレス化を一気に進めてしまおうという狙いです。

 

クレジットスコアがモノを言うように

キャッシュレスはスマートな支払い方法だと思いますが、その延長線上にあるのが、「信用スコア」ではないかと思っています。

アメリカでは、支払いの多くがクレジットカードで、過去の返済履歴、カードの所有枚数、借入残高などの情報が記載されるクレジットヒストリーをもとに、各個人の信用度 = クレジットスコアという数値が割り出されます。一般市民の点数化です。アメリカの暮らしでは何かにつけクレジットスコアが最重視されます。そのため、アメリカ国民はクレジットスコアを上げることに躍起になっています。クレジットヒストリーがない人は、新規でクレジットカードは発行してもらえない、ローンも組めない、引っ越しもおぼつかないのが現実だそうです。

 

中国での人のランクづけが強烈

中国では、「アリペイ」のクレジットスコアに個人の生活情報も取り込んで点数化する「芝麻(ジーマ)信用」が、個人をランクづけする半ば公的な基準になりつつあります。返済履歴や資産状況はもちろん、公共料金の支払いから学歴。職歴、罰金や犯罪履歴、果ては交友関係、日常の行動・趣味嗜好・関心事、SNSでどんなことを話しているかまで吸い上げられています。

 芝麻信用で高スコアだと、病院の預かり金が不要、空港では専用通路で並ばずに手続き、部屋の敷金無料、就活や婚活サイトでも有利など、あらゆるサービスで優遇されます。生活を良くしたければ、個人情報をどんどん芝麻信用に提供して点数を上げ、社会的ステータスを高めているそうです。そして、できるだけ点数の高い友人知人を増やして、さらに点数を稼いでいるそうです。高スコアの者はさらに富み、低スコアの者はさらに貧しくなるという現実。

一方で、中国政府は2020年までに国家版芝麻信用とも言える「社会信用システム」を普及させる方針です。国にとって好ましくない人間は普通の生活すら立ち行かなくなると公然と述べています。ブラックリストに載れば、飛行機や高速鉄道の切符が買えなくなるという、究極の監視社会、窒息社会に向けて動き始めています。

 

 

 

まさにディストピア*1

アメリカでは今現在、金融や経済に限っていますが、中国は日常行動、思考、信条、交友関係までランク付けされています。そんな未来像があることを、日本人は誰ひとりとして考えていません。しかし、若い人の中には、自分がどれくらいの位置にいるか知りたい人は少なくないため、そんな日本において信用スコアは爆発的に浸透すると思っています。私自身も「LINEスコア」なるものを昨年から始めていて、現在のスコアは835。面白半分で始めたものですが、この信用スコアの真の目的を知る由もありません。

始めるか、辞めるかは、あなた次第です。

 

最後までご覧いただきありがとうございます。

*1:ディストピア:(英語:dystopia)ユートピア(理想郷)の正反対の社会のこと。